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2012年12月12日

生活保護叩きを主導した自民党議員らの真の狙いは「99%の人々の人権を制限すること」だった

デモ出発直後
いのちをつなぐ生活保護は恥じゃない!デモ」 2012年08月08日


2012年春に突如始まった「生活保護バッシング」。
これを主導したのは世耕弘成片山さつき(ともに自民党所属参議院議員)らでした。
世耕・片山両議員らが「生活保護バッシング」に励(はげ)んでいたとき、おそらく多くの人は「自分には関係ないこと」と思ったことでしょう。
けれども、彼女/彼らの真の目的は「99%の人の人権を制限すること」であることが明らかになってきました。
あなたもわたしも──大金持ちや政治エリートなどの「1%」でないかぎり──狙われているのです。

たとえば片山さつき議員は、つい先ごろの12月07日、自らの Twitter で次のような驚くべき発言をしています。

国民が権利は天から付与される、義務は果たさなくていいと思ってしまうような天賦人権論をとるのは止めよう、というのが私たちの基本的考え方です。国があなたに何をしてくれるか、ではなくて国を維持するには自分に何ができるか、を皆が考えるような前文にしました!
2012年12月7日 - 12:37

なんと!
天賦人権論をとるのは止めよう》ですよ!
正直なところ、これは相当な「トンデモ」論だと思います。
しかも、片山氏は国の唯一の立法機関である「国会」の議員です。

「人権(human rights)」とは。
「人間が人間として生まれながらに持っていると考えられている社会的権利」であり「他者によって、剥奪されたり、制限されたりできない」もの。
これはわたし(中村)個人の勝手な思い込みなどではありません。
人間社会において広く共有されている「公理」ともいうべき解釈だろうと思います。

それに対して、片山さつき議員は《天賦人権論をとるのは止めよう》論を堂々と唱(とな)えているのです。
ちなみに Twitter まとめサービス togetter に次のページがあります。
「これが国会議員らの発言なのか?!」と唖然とさせられること請け合いの文言が連なっています。

自民党の西田昌司と片山さつきが、国民主権と基本的人権を否定してしまいました

わたし(中村)は改めて「生活保護バッシング」が酷かった当時を回想して、「片山さつき議員は《天賦人権論をとるのは止めよう》トンデモ論に基づいてバッシングを行なっていたのか?!」と驚愕しました。
片山議員には申し訳ないですけれど、これは明白な「国会議員失格」発言だと思います。

ただし、片山さつき議員は人権問題および生活保護問題で1人突出しているのではないようです。
片山氏発言は今の自民党の総意とみてよさそうです。
いまウェブで話題になっている次のページをお読みください。

『日本国憲法改正草案』がヤバすぎだ、と話題に・・・ 自民党 日本国憲法改正草案対照表 2012版

ことさらに言うまでもなく、日本国憲法は「国の最高法規」です。
そして日本国憲法は「国民主権・基本的人権の尊重・平和主義」を三原則としています。
中学生だって知っている(はずの)事実です。
しかるに自民党国会議員らは三原則をともに踏みにじろうとしているのです!

自民党「改憲」案とは、むしろ憲法「破壊」案とでもいうべき代物ではないでしょうか。
日本国憲法を破壊するということは、すなわち日本国家を破壊することです。
「国民主権・基本的人権の尊重・平和主義」の三原則をともに蹂躙せんとする結社があったら、これは「テロリスト集団」もしくは「カルト宗教団体」の類(たぐい)ではないか。
そう疑われてもしかたないでしょう。

もちろん、わたしは自由民主党という政党を「テロリスト集団」あるいは「カルト宗教団体」とは思い…たくありません(笑)。
蛇足ながら、カルト宗教団体メンバーと、いわゆる「新自由主義」と呼ばれる原理主義的資本主義の信奉者は似ていることが多いように思います。
それは、彼/彼女らが「生」ではなく「死」を志向するドグマ(教義)を持っているからかもしれません。
「生活保護バッシング」に熱心なところなども、両者の共通点のようです。

加えて、以前から気になっていた点をもうひとつ。
「生活保護バッシング」を主導した議員たちは「市場システムこそ唯一の『正義』。市場で自分の価値を形成できない者──たとえば生活保護利用者──には『天賦人権』は認められない」といった歪んだイデオロギーに染まっているように思えるのです。
彼女/彼らに「市場経済万能論」的なドグマ(教義)の持ち主が目立つことは、ずっと以前から意識していました。

「生活保護バッシング→生活保護制度の改悪」とは、上記のような「市場経済万能論」的なドグマの持ち主、「天賦人権」否定論者たちによって起こされたひとつの政治的アクションです。
「いのち」や「生活」よりも「経済(カネ)」が優先され、「人権」などは容易に制限することができる、そのように考える者たちによるディストピア運動です。
おそらく、生活保護制度改悪は「皮切り」に過ぎず、彼女/彼らの真の目的は「99%の人の人権を制限すること」でしょう。
その先にあるのは「この世の地獄」とも形容すべき惨憺(さんたん)たる世界です。

最後に。
最大の問題点は、「自分たちは政治エリート・金持ちである」と自惚(うぬぼ)れきった、けれども能力にも覚悟にも欠ける者たちが、「憲法」と「国家」を弄(もてあそ)んでいることです。
日本国という巨大で複雑なシステムは、世襲ぼんぼん議員やタレント議員たちの手に負えるものでは到底ありません。
人々の「いのち」と「生活」、「憲法」と「国家」を弄ぶ者たち。
彼らの軽薄で粗雑な国家観・人間観は恐るべきものです。
はっきり言って、彼らには「無理」なのです。
たとえ彼らが心底真剣に取り組んだとしても、結果として「弄ぶ」ことになってしまうのです。
残念ながら、そのような意味で、彼らは真に危険な存在となりつつあるようです。

以上がわたしの杞憂(きゆう)にすぎないのであれば、ほんとうにいいのですが…。


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投稿者 kihachin : 2012年12月12日 12:00

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