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2013年10月28日

「軍隊」とは「官僚機構」そのもの。「軍国主義化」とは社会と国家が「卑劣化」することです

三毛&灰白仔猫さん
(※仔猫さん画像はクリックすると大きくなります。本文とは関係ありません)


近代以降の「軍隊」とは「官僚機構」そのものです。
そして「軍国主義化」するとは、社会と国家が「卑劣化」するということです。
知っていましたか?


1. 近代以降の軍隊は官僚機構そのものです
そのため軍隊は「お役所」に共通する構造的な欠陥を抱えています。
昭和の軍部の暴走とは官僚機構の暴走でした。
軍隊も、憲兵隊も、特高(特別高等警察)もみんな公務員だったのです。
国家公務員さんたちの大暴走により、「お役所仕事」の通弊が極限にまで達し、膨大な兵士と民間人が病死・餓死・斃死させられました。

昭和前期の軍国主義では、軍部の暴走があったのみならず、報道人・学者・宗教者などによる露骨で卑屈な「軍への阿諛追従」がありました。
現在の日本でも同様の事態が発生しているのではないか、とわたしは思っています。
いつの世・どこの地域にも「ちょっとばかり目端(めはし)が利き、強者にすり寄ることで、『おこぼれ』にあずかろうとする者」はいるのでしょう。

大岡昇平レイテ戦記』によると、太平洋戦争フィリピン・レイテ島での日米決戦に従軍した日本軍将兵で生還できたのはたった3%だそうです。
100人のうち97人が二度と帰らぬ人になりました。
その多くは餓死・病死・自死で、味方に殺された者も少なくないのです。
日本が軍事国家するとは、再びこのような悲惨を繰り返すことだと、わたしは思っています。


2. 国が軍国主義化するとは、卑劣化するということです
軍部の威光をバックにした者たちが威張り散らし、私益を貪(むさぼ)り、他者を踏みつけ、殺す。
そういうことが国中に蔓延する。これが軍国主義化の一面であることは、実際に戦争を経験した人なら大抵知っています。

以下は美輪明宏さん(みわ あきひろ/歌手・俳優)の『戦争と平和 愛のメッセージ』岩波書店(2005)からの引用です。

戦争中には、とんでもない人間が権力を握り、命が簡単におびやかされます。
 私の祖母の家は旅館でしたが、軍に徴集され、労働力のために集められた女学生たちによる、「女子挺身隊」の寮になっていました。
 そこにいたある女学生は、お母さんがいろんな色の残り毛糸を集めて編んでくれた肌着が、セーラー服の襟から少しだけ出ていたのを監督していた男に見とがめられ、「軟弱だ、けしからん」と叱責されていました。
 素っ裸に近い姿にされ、髪を持って引きずりまわされ、軍靴で蹴られ、拳で殴られ──。
 一週間後、その女学生は亡くなりました。服の下に着ていたものが、色が混ざってちょっとカラフルだったというだけですよ。たったそれだけのことで、殴り殺されてしまったのです。

このようなことが国中で繰り広げられる。
パワハラやセクハラが蔓延(はびこ)る。
その辺のオジサン・オバサンが国家をバックにして威張り散らす、役得を得る、盗む、暴力を振るう。
そして敗戦とともに「まるで何もなかった」かのように振る舞う。
それが「軍国」ということです。
知っていましたか?

「ほんとうの戦争」を知っている人がどんどん減りつつあります。
その事実と今また「軍国主義化→卑劣化」が進んでいることは、けして無関係ではないでしょう。

ここで、安冨歩さん(やすとみ あゆむ/東京大学東洋文化研究所教授)の言葉を引用させていただきます(『「学歴エリート」は暴走する』講談社(2013)176頁)。

日本は間違いなくおかしな方向に進んでいる。次の「戦争」がいったいどのような形になるのかは私にはまだわかりませんが、ただひとつ言えることはあります。満州事変のような“暴走”は、すでに始まっているのです。


わたしはつくづく思うのです。
戦争を「いいこと」もしくは「しかたのないこと」のように見做(みな)す者たちは、
(1)まだ分別のないこども
もしくは以下おとなであれば、
(2)よほどのバカ者
(3)真に邪悪な者/魂の底から腐りきった輩(やから)
のいずれかだろうと。

そもそも、軍事や戦争とは「ビッグビジネス」です。
官僚機構と民間資本が癒着した、国家規模の巨大ビジネス。
膨大なカネに関わる分野で「濡れ手に粟(ぬれてにあわ)」の大儲けを企む者たちが必ずいます。
兵器開発に湯水のようにコスト(多額の税金を含む)をかけ、売るときは「定価」など存在しないも同然。
複雑なシステムをもつ戦闘機・戦車・軍艦などはメインテナンスにも多額の費用がかかる。
売るときにボロ儲け、その後もメインテナンスで定期収入(たぶんボロ儲け)が続く。
このポイントを外した「国防論」などは、おめでたい「軍事オタク」によるまがい物に過ぎないでしょう。

戦争とは「バブル経済」なのかな、とも思います。
比喩表現ではなくて文字通りの意味で。

そして肥大化し卑劣化した「軍部」が国内の異議申し立て勢力に対して銃口を向けるとき、その国のデモクラシー(democracy)は即座に死にます。
国防軍」創設などと言っている政治家たちは、将来の「軍部」が政治に介入する危険に対して、あまりにも無防備でナイーブだとしか言いようがありません。
こういった、ふやけた「ボンボンタカ派」に国家の舵取りをまかせるのは、真に危険なことです。
あなたに、そういった危機感はあるでしょうか?


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投稿者 kihachin : 2013年10月28日 12:00

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