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2013年10月11日

「正しい人」になろうとは思わない

茶トラ猫のカラさん、駐車場で
(※猫のカラさん画像はクリックすると大きくなります。本文とは関係ありません)


毎度お馴染みの「喜八節(きはちぶし)」です…。(^^;


「正しい人」になろうとは思わない  中村順


わたしは「正しい人」「善い人」にはなろうと思わない。
「いのちと尊厳を重んずる人」になりたい。

「人は『絶対的な正しさ』に到達することはできない」。
わたしはそのように考える不可知論者です。

到達不能な「正しさ」を基準にしていると、いずれは他者および自分を裁くようになる。
他者と自分に害をなすようになる。
他の方たちを見て、およびわたし自身を振り返り、そう強く感じます。

自分の「正しさ」を証明するために、「正しくない人物」を見定め、激しく批判する。
延々と攻撃し続ける。
人の世のあらゆる場所で見かける光景ですね(特にウェブでは顕著に…)。

こういった現象は人生のどこかの段階で刷り込まれた「プログラム」に基づいているのかな?
あるいは「本能」なのか?

いずれにしても「正しさ」の頑(かたく)なさ・狭さに直面すると、わたしは疲弊します。
「いのち」を尊ぶおおらかさに、心惹かれます。

以下は宮地尚子さん(みやじ なおこ/精神科医・一橋大学大学院教授)の『トラウマ』岩波新書(2013)からの引用です(同書192頁)。

人間は「正しい理由」を与えられると、案外簡単に暴力をふるえるし、加害者にもなれることを知っておいたほうがいい。

さらに萱野稔人さん(かやの としひと/哲学者・津田塾大学国際関係学科准教授)『暴力はいけないことだと誰もがいうけれど』河出書房新社(2010)からの引用(181頁)。

自分は廉潔で悪とは関係がないと信じて疑わない人ほど、悪とみなされた人に対して容赦がないものです。
みずからの正しさや清廉さを自明視することは、じつは気がつかないうちに残酷さを準備してしまう危険なことなのです。

自分は「正しい」「清廉」と信じて疑わない人ほど、他者に容赦がなく残酷になりがち。
そして、わたし自身にも同様の傾向は確実にある。
「わたしは正しくない、悪人である」。
これを常に忘れないようにしたい。

おそらく「正しさ」を基準にするのは、多くの人にとって、あまりいい「戦略」ではないのでしょう。
「いのち」を基準にしたほうがいいのではないか、と思います。
「正しさ」は人それぞれいくらでも異なった自己正当化ができるし、他者否定ができます。
「いのち」はそのまま正当であり、否定できません。

わたしは人間の全ての智慧は究極的には「いのち」を志向するべきだと思っています。
現実の世界は「死に魅入られた、死を志向する思想」が蔓延(まんえん)していますが…。
新自由主義」と呼ばれる原理主義的な経済イデオロギーはその典型です(※)

(※ナオミ・クラインショック・ドクトリン』/安冨歩生きるための経済学』など)

以上くだくだしく述べてきたけれど。
わたしは「自己正当化」の欲望が非常に強い人間でもあります。
ほんとうは自分の「正しさ」を言い募(つの)りたいという気持ちが大きいのです。
だからこそ《「正しい人」になろうとは思わない》と自分に言い聞かせているのかもしれません。

「自己正当化」の欲求が強すぎるのは、自分のためにならないでしょうね。
自分も人も幸せにはしないだろうなあ。
わたしにとっての最大の煩悩は「自己正当化」ではないだろうか…?

我は煩悩寺にあり(※)

(※野暮な解説: 明智光秀《敵は本能寺にあり》のもじりです。「わたしの本当の敵はわたし自身の『自己正当化』の煩悩である」ということを言っている…つもりです)


お後がよろしいようで…。m(__)m


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投稿者 kihachin : 2013年10月11日 12:00

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