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2014年02月08日

「脱原発ショック・ドクトリン」「脱原発ファシズム」──やはり小泉純一郎氏を信用することはできない

20051215 小泉首相 「イラク戦争を支持した判断は正かった」と強調


小泉純一郎氏の印象をわたしなりに一言でいえば「血塗れ(ちまみれ)」です。

イラク戦争(2003-2011)でのイラク国民と兵士の膨大な死者、米国兵士や軍需産業従業員の死、イラクに派兵された自衛隊員の自死(ほとんど報道されない)……小泉純一郎氏には「血塗れ」のイメージがつきまといます。

2004年に高遠菜穂子さんたち3人がイラクで武装勢力により拉致されたとき、小泉首相(当時)を始めとする日本政府は有効な人質奪還交渉がほとんどできなかったと伝えられています。

それどころか、小泉氏は人質にされた3人を見捨てるような言動を繰り返しました。
さらには人質3人が解放され帰国した際、小泉政権は彼らに対して卑劣なバッシングをしかけました。

ちなみに、高遠菜穂子さんたちが生還できたのは、高遠さんのストリートチルドレン支援活動を知り心を打たれたイスラム教指導者たちが「そういう人を死なせてはならない」と積極的に動いたためだといわれています。
高遠菜穂子さんの「いのちを守る」実践が、高遠さんたち自身のいのちを救ったのでした。

おなじく2004年、イラク武装勢力によって拉致された日本人青年「K」さん(当時24歳)は、日本政府により冷酷に見殺しにされました。
武装勢力との人質奪還交渉にはほとんど熱意を見せず、ただ米国のご機嫌取りばかりに熱心な首相らにより、「K」さんは見殺しにされたのです。
わたしは絶対にこのことを忘れません。

小泉純一郎氏はその経歴において、徹底的に「いのちと尊厳を軽んじる」冷笑的な政治を実践してきた人物です。
こんな輩(やから)は一寸足りとも信頼することはできません。


念のためにお断りしておきますと、わたしは「脱原発」派です。
原子力発電はひとたび過酷事故が発生したら、回復不可能な被害が膨大に発生する。
そんな巨大なリスクを人類は(少なくとも現時点では)負うことはできないと思う。

その上で、再度はっきり言います。
小泉純一郎氏のような人物を信用することはできません。
わたしは彼の「脱原発」宣言など信じることはできない。
なにしろ総理大臣時代に《この程度の約束が守れなかったことなど大したことではない》と言い放った人物です。

このようなことを言うと…。
『脱原発』という大義のためには、小泉元首相を批判するのはやめろ!」なんて言う人もいらっしゃるかもしれませんね(実際にいます)。

そういう方には次のように問いかけたい。
「それってもしかしたら『脱原発ショックドクトリン』ですか?」と。

(※「ショックドクトリン」はカナダ人ジャーナリストナオミ・クラインによって提唱された概念。クーデター・軍政・虐殺・天災・大事故などによる衝撃(ショック)を受けた社会を対象にして、通常なら受け入れられないような教理(ドクトリン)の導入を図る手法を指す。ナオミ・クラインは、米国シカゴ大学出身のエコノミストたち(通称:シカゴ・ボーイズ)が、ショック・ドクトリンを用いて極端な市場原理主義的経済政策を導入し、社会改造を試みることに批判的な立場をとる)

もし《脱原発こそが最優先だ! 他のこと(生活・雇用・表現の自由・人権)は後回しにしろ!》なんて主張するのなら…。
それは「脱原発ショックドクトリン(=東電原発事故により衝撃を受けた日本社会に極端な市場原理主義的経済政策を導入する)」と疑われてもしかたないでしょう。

というか、「細川・小泉連合」というのは、わたしには「脱原発ショック・ドクトリン」そのものとしか思えないのです。
「国家戦略特区」の導入などは、まさに極端な市場原理主義的経済政策です。
そもそも小泉氏は「郵政民営化」など日本を外資に売り渡すような「カイカク」を率先してきた人物です。
そして今また「小泉劇場第二幕」を狙っているのでしょう。


通常なら小泉純一郎氏を支持するはずもない人たちが「原発を停めるためには、悪魔とも手を結ぶ」として、実質的な小泉支持に走る。
脱原発のためなら悪魔とも手を結ぶ」──ならば場合によってはアドルフ・ヒトラーを支持したりするのかな?

脱原発ショックドクトリンの手法を使えば、ヒトラーを復権させることもきっとできるでしょう。
「全ての原子炉を廃炉にできるのは、総統だけだ! ハイル・ヒトラー!」なんてね(笑)。

あるいは、安倍晋三首相が突然《脱原発》宣言したら、どうなるのでしょうね?(それほど突飛な設定ではない)
安倍氏が「自民党はこれまでの原発政策を深く反省して、全ての原子炉の(段階的)廃炉を目指します。その代わり…憲法改正(改悪)には協力してね」なんてことを言い出したら一体どうなりますか?

脱原発のためには、悪魔とも手を結ぶ」理論に従うなら、「憲法改正にも、集団的自衛権にも、国防軍にも協力します」となるのでしょうか?

現在の状況(原発問題&都知事選)を見ると、「批判=ネガキャン」みたいに言う人が少なからずいる、という印象があります。
たしかに、事実ではないことをプロパガンダしたり、品性に欠けた言辞を弄することは止めたほうがいいと、わたしも思います。
たとえば「宇都宮けんじ氏は共産党のあやつり人形」などのデマを飛ばすのはやめるべきでしょう。

けれども「批判=ネガキャン」みたいな乱暴な認識を持って、他者に「批判をやめろ」と要求するのは、やっぱり物凄い筋違いだと思います。
上から目線で「口をつぐめ!」と要求することって、まさしく「民主主義の否定」であり「人権侵害」ではないでしょうか。


わたしが心底「怖いなあ」と思うのは、これまで小泉純一郎氏を批判し続けてきた人たちが、何故かここに来て急速に小泉・細川連合応援になびいていることです。

小泉純一郎氏を厳しく批判してきた「文化人」たちが「脱原発」のワンフレーズ(※小泉お得意/加えて公約破りもお得意)にあっさり幻惑されています。
「これって『脱原発ファシズム』かもね?」と疑わざるを得ません。

脱原発のためなら悪魔とも手を組む」とは、「脱原発のためなら、憲法改正(改悪)にも賛成し、戦争への道を突き進む」ということも含意されているのでしょうか(まさか、とは思いますが…)。

ファシズムとは。
たとえばイタリアでベニート・ムッソリーニを支持した人の大方は「善意」に基づいていただろうと、想像できる気がします。
ファシズムは「悪意」ではなく「善意」の上に生成されるんですね。
これに比べて、ヒトラーのナチズムは明らかに「悪意」の上に成立しています。

ファシズムや全体主義の真の怖さとは。
単に上から暴力的に「従う」ことを強制されるだけではない。
一般の人たちやいわゆる「知識人」らが自発的に「従う」。
最初は少数が、ある時点から雪崩(なだれ)のように大多数が従っていくことなのかな?
そんなことを最近よく思います。

正直に言って「いま自分は、ファシズムが生成されるまさにその場・その時に居合わせているのではないか?」という思いが拭いきれません。

そして「知識人」というのは実は時勢に抗(あらが)う能力にも気概にも欠けることが多いようです。
第二次世界大戦前の日本やドイツにおいても、大部分の「インテリ」は容易に時勢に流され、もしくは積極的に戦時体制に加担していきました。
第一級の知性と見なされていた者たちもけして例外ではなかった。
いま日本の「知識人」たち(の一部)は…。


わたしはヨワくて怠惰でいい加減な奴です。
けれども、自分なりに「いのちと尊厳を大切にする」人間でありたいと思います。
だから、様々な場面で「いのちと尊厳を大切にする」人たちと協働し、応援してきました。
その辺は我ながらあんまりブレないですね。

わたしができることは、ほんのささやかなこと。
でも、こんなことを思っています。
わたしも一人の大人(おとな)として、こどもや若い人たちから、しっかり冷徹な目で見られている。
だから大人として「恥ずかしい」ことはしたくない。
そういう想定を常にもって、自分のできること、やりたいことを一つひとつ実行していく。
ただ、それだけです。


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投稿者 kihachin : 2014年02月08日 09:00

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