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2014年12月28日

渋谷区が「炊き出し妨害」のため区内の公園3ヵ所を強制閉鎖

東京都渋谷区は、野宿者(いわゆる「ホームレス」の人)のための「炊き出し」を妨害する意図をもって、区内3公園(宮下公園・美竹公園・神宮通公園)を2014年12月26日から2015年01月03日まで封鎖しました。
厳しい冷え込みの中、「食べる」にも困る人たちがいます。
そんな困窮者のために給食サービスを実行しようとする民間ボランティアの人たちがいます。
けれども、渋谷区は「ここではやるな。よそにいけ。ただし、場所は自分たちで勝手に探せ」と言い放つのです。
「きわめて冷酷なしうち」「行政による、人殺し」と批判されても仕方のない蛮行ではないでしょうか。

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「東京新聞」2014年12月27日・朝刊から関連記事を引用させていただきます。

(★転載開始★)

渋谷の3公園 年末年始閉鎖 「炊き出し妨害」計画の団体反発

 東京都渋谷区は二十六日、宮下公園など三つの区立公園を来年一月三日まで閉鎖した。宮下公園では年末年始にホームレスの人たちの支援団体が炊き出しを計画していた。区の担当者は「公園のルールとして火気厳禁。炊き出しをするなら利用は認められない」としている。
 緑と水・公園課によると、閉鎖したのは宮下公園と、その近くの神宮通公園、美竹公園。吉武成寛課長は「炊き出し場所の移動が想定されるため」と話す。いずれも敷地はフェンスで囲まれ、通常は午後十時半に閉門し、翌朝午前八時半に開く。二十六日朝は閉鎖の掲示が掛かり、定時になっても開門しなかった。
 宮下公園では「渋谷越年・越冬闘争実行委員会」が炊き出しを計画。昨年は公園内に宿泊用テントを設置して区から強制的に閉め出されたため、今年はガスコンロ二台で炊き出しのみを行う予定だった。メンバー約十人は二十六日、区役所を訪れ「命の危険に関わるから炊き出しをしている」と抗議したが、吉武課長は「違う場所を探してほしい」と拒否した。
 夏祭りの屋台では火気が使われるが、吉武課長は取材に「それは許可申請が出ている」とした。
 貧困支援のNPO法人もやいの稲葉剛理事は「野宿者を排除する動きは他の地域でもあるが、ここまで露骨なのは異様だ。年末年始は行政の福祉が機能せず、補う形で民間団体が支援している。それを妨害するのは言語道断」と話した。

(★転載終了★)

渋谷区はこれまでも「強引な野宿者排除=いのちにかかわる人権侵害」をたびたび繰り返してきた自治体です。

そもそも、行政に「公園を恣意的に閉鎖する」権利はあるのでしょうか?
「公共空間を立入禁止にする」にあたっては、きわめて慎重な判断と配慮が不可欠なはずです。
「炊き出しつぶし」のため区立3公園を9日間にわたって閉鎖する渋谷区は「管理権の濫用」をしているのではありませんか?

渋谷区は、或る意味で、安倍政権の先を走っているのではないかと思います。
ただし「先」といっても、きわめて悪い意味での「先走り」ですが。
行政や国家が、住民・国民よりも無国籍グローバル資本の顔色をうかがい、奉仕するという点において。

内田樹さん(うちだ たつる/哲学者・武道家・教育者)が指摘しているように《私たちの国で今行われていることは、つづめていえば「日本の国富を各国(特に米国)の超富裕層の個人資産へ移し替えるプロセス」なのである》《経済のグローバル化を推進して、国民国家を解体しようとしている政治運動が外形的には愛国主義的な衣装をまとっている》(『街場の憂国論』晶文社、2013)。

渋谷区はそんな安倍政権の「先鋒」役を果たしているのではないかと思うのです。

食べるものにも困る人たちへの炊き出し(民間ボランティアによる給食サービス)を行政(渋谷区)が妨害し、公園(公共空間)から排除する。
このような蛮行を許し続けていたら、いずれは日本全土が「渋谷区化」してしまうでしょう。
カネや家のない者は公共空間にいることも許されず、ただひたすら排除される、日本。
多くの人々が「食べる」ことに困り、「生きる」ことすら認められず、餓死・病死・凍死・自死・自暴自棄の犯罪に追い込まれる、日本。

それが安倍晋三氏らのいう「美しい日本」なんですかね?
もし本気でそのような日本を望むなら、「アタマに悪い虫がわいている」のだろう。
わたしはそう思います。

ところで、「野宿者(いわゆる「ホームレス」)支援活動(団体)」というと、多くの方は「困っている野宿当事者」「助ける支援者」という二分法的な構図を想像してしまうかもしれませんね。
が、実際には「野宿当事者が野宿者を支援する」という、当事者アクティビストも少なくありません。
渋谷でも山谷でも釜ヶ崎でも他の地域でも、多くの当事者・元当事者が支援活動に参加しています。

野宿者支援活動でも「当事者主権」が大きなテーマだとわたしは思います。
これはわたしが参加している生活保護改悪に反対する運動においても──言うまでもなく──同じでしょう。

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投稿者 kihachin : 2014年12月28日 08:00

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