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風邪の回復法

U.S. Navy personnel receiving influenza vaccination

目次


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普通感冒とインフルエンザ

いわゆる風邪には大きく分けると「普通感冒(普通の風邪)」と「インフルエンザ」の2種類があります。ここでは普通感冒にもインフルエンザにも共通する一般的な風邪の回復法を中心に解説します。

風邪の回復法を実行するには、まず普通の風邪に罹《かか》ったのか、それともインフルエンザなのかを見分ける必要があります。両者にはつぎのような特徴があります。

普通感冒
くしゃみやせきがでる・鼻水がでる・発熱・のどが痛むなど。ただし、熱はインフルエンザほどは高くならず、症状は比較的軽い。

インフルエンザ
普通感冒の症状に加えて、頭痛・関節痛・筋肉痛・38度以上の高熱などの強い症状が全身にでる。肺炎などを併発し重症化することもある。

インフルエンザの場合は病院に行き専門家(医師)の治療をうけたほうがいいでしょう。以前はインフルエンザかどうかを判定するのにかなり時間がかかりましたが、現在は迅速診断キットがあるため、短時間で判定できるようになっています(検査の精度は50〜80%程度)。保険も効きます。

また近年インフルエンザ治療薬も開発されました。回復にかかる時間が1〜2日短縮できるそうです。


睡眠と安静

まず第一に睡眠と安静をこころがけるようにします。「風邪は寝て治す」という言葉があるくらいです。部屋を適度に暖かくして充分な睡眠をとります。この際、厚着や暖房で無理に発汗をうながすのは有害無益だそうです。

いうまでもありませんが、ウエイトトレーニング(筋力トレーニング)や有酸素運動は中止します(意外に無理をする人が多いのです)。

のどの粘膜が乾くと風邪の原因となるウイルスが体内に侵入しやすくなってしまいます。のどの乾燥を防ぐため室内では加湿器を使うとよいでしょう。湿度は60〜80%くらいに設定します。ウイルスは空気が乾燥した状態で活動が活発になり、逆に湿度が高いと死滅します。


水分補給

熱による発汗や痰の排出で身体の水分を失い脱水症状にならないように、こまめに水分を摂ります。のどを湿らせる効果もあります。


食事と栄養

消化がよく身体が暖まるものを食べるようにします。ビタミンA・B1・C・たんぱく質を含む食品を選びます。たまご酒・ねぎ味噌・しょうが湯・ニラかゆ・ホットミルクなどの伝統的食品もお勧めです。

ただし、食欲がまったくない場合は無理に食べないようにします(その場合でも水分は充分に摂ります)。


入浴

以前は「風邪をひいたら入浴は避けるべき」という意見が日本では支配的でした。しかし、このごろでは「熱がそれほど高くないとき(38度以下)は入浴可能」とする医師も多いようです。長湯を避けて、風呂から上がったあとは水分ををよく拭くようにします。

熱のためにかいた汗をそのままにしておくと、皮膚の新陳代謝を阻害して風邪の回復を遅らせるという意見もあります。


薬とサプリメント

風邪薬
風邪のウイルスを退治する薬はないそうです。一般に市販されている「総合感冒薬」は風邪による諸症状(くしゃみ・せき・鼻水・発熱・のどの痛みなど)を緩和することを目的としています。

薬や抗生物質をむやみに用いると、逆に風邪の回復を遅らせることがあります。たとえば、熱がでたからといって安易に解熱剤を服用すると、身体の免疫システムの働きを阻害してしまう可能性があるのです。

風邪の原因となるウイルスは38.5度以上の温度で死滅するため、人体の免疫システムは発熱という症状を通して体温を上げます。そのときに解熱剤で強制的に体温を下げることは、ウイルスにとって都合のよい環境を整えてやることになります。

わずらわしいせきや鼻水ですが、じつはウイルスを体外に排出する働きがあります。そのため薬を使用して、せきや鼻水を止めることは、ウイルスを体内にとどめてしまうことにもなります。

サプリメント
サプリメントのうちアミノ酸ビタミンCは風邪の回復を助ける効果があるといわれています。

必須アミノ酸のうち、グルタミンアルギニンは、マクロファージやリンパ球などの免疫細胞を強化する効果があります。またアミノ酸は素早く吸収されるので、風邪にかかったあとに摂取しても、回復を助けるそうです。

ビタミンCは風邪の回復を早め、二次感染をおこしにくい身体をつくるとされています。また水溶性なので吸収されやすいという特徴があります。

風邪をひいたときは、やや多め(1日500mg〜)のビタミンCを服用します。この際、1回で多くの量を摂るよりは、1日3回くらいに分けて摂るほうが効率的です。

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風邪とトレーニング

一般に普通感冒もインフルエンザも数日から1週間程度で回復するといわれています。しかし、症状が緩和したあとも、のどの粘膜は荒れた状態なので、ぶりかえしたり二次感染をおこしたりする危険性が残っています。二次感染でいちばん多いのが肺炎です。特に高齢者の肺炎は増加しているそうです。

トレーニーにとっては風邪の回復期に「いつ運動を再開したらよいか?」が問題になります。とくに筋力トレーニングは短時間であっても身体にかける負担が大きいため、回復しきっていない状態でトレーニングを再開すると途端に風邪をぶりかえすことになります。

完全に回復したかどうかの見極めは大変に難しく、結論としては各人が判断するしかないでしょう。「自分の身体に訊く」のです。そのためには普段健康なときから、自分の体調を正確に把握する習慣を身につけておきましょう(と簡単に書いていますが、実際には難しいと思います・・・)。

経験的に言うと、ウォーキングのような軽度の運動には病後の回復を助ける働きがあるようです。風邪だからといって、身体をまったく動かさない状態をいつまでも続けていると、かえって回復が遅れることもあります。


精神的な側面

昔から「病は気から」と言います。実際に精神力・気力が低下すると身体の免疫力も低下し、風邪だけでなくあらゆる病気のリスクが高まるようです。「風邪になんか負けない」「早く治す」という強い気持ちでいることも重要だと思います。

(喜八 2004-02-02、改訂2008-01-20)

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