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負荷を高めてゆく

jim

漸進的に

ウエイトトレーニング(筋力トレーニング)では漸進的に負荷を高めてゆきます。これは、ある程度トレーニングの経験をつんだ人には「当たり前」のことですが、ビギナーの中にはご存知ない方も少なくないようです。

たとえば、知り合いの60歳台女性トレーニーが、いつ見ても同じ重量でトレーニングをしているので「そろそろウエイトを増やした方がよいのではないですか?」と言ってみました。すると「えっ! そんなことしなくちゃいけないの!?」と驚いていました。

同じ重さで同じようにセットをこなしていれば、いつかは十分なトレーニング効果を得られるものだと思っていられたのです。「インストラクターの子はウエイトを増やすなんて言ってなかったよ」ともおっしゃっていました(笑)。

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漸進的に負荷を高めてゆくということを、ベンチプレスを例にして説明してみます。

ウエイトトレーニングを続け、その効果を得るためには、負荷の高め方が重要なポイントとなります。負荷の高め方を間違えると、トレーニングの挫折につながりやすいからです。

負荷を高めるのに失敗した場合
トレーニング効果を得ることができません。それで嫌になってジム通いをやめてしまうことになり勝ちです。

雑誌などで「あなたも3ヵ月で別人のようになれる!」というような記事を読んで、信じてしまうと危ないのです。たしかに3ヵ月で大きなトレーニング効果を得ることができる人たちは(少数ですが)存在します。しかし普通の人にはもっと長い時間が必要です。

たとえば運動経験があまりなくて、すでに中年に達しているというような人だったら「3年」くらいに思っていた方がよいのではないかと思っています(自分の経験から)。

さらに「自分の限界を見届けよう」という目的でウエイトトレーニングをするのなら、10年以上はかかると思っていた方がよいのです。「10年」というのは少なめに見積もっての数字です。

負荷を高めるのに成功した場合
この場合も挫折につながる可能性があります。特に急激に負荷を高めた場合は、怪我や故障の原因になりやすいのです。怪我の程度が深刻なときは、トレーニングを続行することが不可能になることもあります。

またはあまりに真面目にウエイトトレーニングに取り組みすぎて、心が燃え尽きてしまうこともあります。いわゆる「バーンアウト」です。

停滞

先に書きましたように、筋力トレーニングを開始した初期の段階では、なにも考えずとも使用ウエイトは増えてゆきます。しかし、どこかの段階で頭打ちになります。どこで最初の停滞が来るかは、個人差が大きいので一概には言えませんが・・・。

男性のベンチプレスだと、60kg から100kg の間くらいであることが一般的だと思います。もし最初の停滞が100kgであるなら、どちらかというと素質に恵まれた人でしょう。

停滞を経験してから後が本当のトレーニングだという人もいます。ここから先は頭を使って行かなければいけなくなります。辛抱強さも必要となるでしょう。

自分が停滞に陥っていることを察知するためには、トレーニングの記録を取っておくことが必要となります。日々のトレーニングの内容を記録することは「基本中の基本」と言えます。

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停滞克服法

最初の停滞を経験したトレーニーのほとんどはパニック状態となるようです。
「なぜだ、なぜなんだ!?」と(笑)。停滞はいつかはくるものと頭で分かっている場合でも、いざその場になると慌てふためいてしまいます(自分の経験から)。

以下に停滞の克服法をいくつか紹介します。私(喜八)が実際に試したものもありますし、人から聞いただけのものもあります。また、私自身がつぎつぎとやってくる停滞と悪戦苦闘の真っ最中にいるので、ひとつをもって「これが正しい方法だ!」と断言するようなことはできません。

トレーニングの内容に変化を加える
種目、セット数、レップ数(挙げる回数)などに変化をつけます。
身体は一定の刺激には、すぐに慣れてしまいます。したがって当初は効果的であったトレーニング法も数ヵ月後には、効果率が低下する傾向があるのです。また、同じ種目ばかりやっていると、飽きてもくるし故障のリスクも高まるようにも思います。

具体的にはつぎのような方法があります(ある方が実際に行なった方法です)。
ベンチプレスでウエイトを増やすことがなかなかできない。あまり効いている気もしない。そこで、代わりにダンベルフライをやってみた。すると大きな効果があった。1年後にベンチプレスをやってみたら、ずいぶん強くなっていた。

種目そのものを変更する以外にも、さまざまな変化を加えることができます。バーベルで行なっていた種目をダンベルで行なう。フリーウエイトをマシンにする。スタンディングで行なっていたものをシッティングにする。両手を片手に・・・など。

ハード&イージー
あえて楽にやる日(イージー)と、全力でやる日(ハード)を設けます。
「イージー」の目安は全力の70%くらいが一般的です。たとえばベンチプレスで50kgを10回行なうのが限界であるとしたら、35kgくらいの重量を10回挙げることにします。軽いウエイトで余裕がありますから、より正確なフォームで練習することをこころがけます。ハードの日より多めのセット数をやってもよいでしょう。

「ハード」の日には、自己ベストを1レップでも更新するように、挑戦的な気持ちでセットを行ないます。セット数は少なめにします。

分割法の採用
初心者の場合、1日で全身のトレーニングをしていることがほとんどでしょう(本格的なボディビルやパワーリフティングのジムに所属している場合は事情が異なるかもしれませんが)。 1日で全身の種目を行なうことがきつくなってきたら、トレーニングを2分割にしてみます。分割のやり方は「上半身と下半身」で分ける方法、「押す種目と引く種目」で分ける方法などがあります。くわしい分割の方法についてはここでは触れません。

一般トレーニーでは、2分割でも十分な効果を得ることができると思います。
ちなみに全身の筋肉をまんべんなく鍛える必要のあるボディビルダーになると、3〜4分割くらいが当たり前です。なかには5分割以上という人もいるようです。

サイクルトレーニング
吉田進さん(パワーハウス代表)が『パワーリフティング入門』で紹介されたトレーニング法です。パワー増強に適した方法と考えられています。多くのパワーリフターにより、非常に効果的なトレーニング法だということが「実戦証明」されています。しかし、自分のものにするのが難しい方法でもあります。

先に紹介した「ハード&イージー」を発展させたような練習法です。約2ヵ月くらいの期間をかけて、練習重量を徐々に増やしてゆくサイクルを設定し、最後の日に自己ベストを更新します。

サイクルトレーニングの特徴は、あえて練習重量を落とすところにあります。直線的な右肩上がりの成長を望まずに、上がったり下がったりというサイクルを繰り返して、絶対的な負荷を高めてゆきます。ここでは、くわしい内容には触れません。

小幅に負荷を高める方法
小さいウエイトを使用する方法があります。
一般的なジムに用意されているウエイトは2.5kg が最小単位になっていることが多いようです。しかし、市販のウエイトでは500g というものがあります。しかもウエイトは重さに値段が比例するので、500g のものは安価で入手することができます。
2.5kg 重量を増やしたら途端にセットをこなすことが難しくなったというような場合に、500g のウエイトを2枚使って1kg の重量アップとするとうまくゆくことが多いのです。

さらに小さな幅で重量をアップすることもできます。
釣りのおもりなどを使って100g、200g というミニウエイトを自作する方法です。
これは藤堂明夫さんから教えてもらいました。

バスタオル・トレーニング
これも小幅に負荷を高めることで心理的なハードルを低くする方法です。
ベンチプレスで、ある重量のセットをどうしてもこなせないときに、胸にバスタオルを8つ折りまたは4つ折りにして乗せます。1回目のトレーニングでは、バーがタオルに着いたところで挙げます。これに成功したら、つぎの練習日にはバスタオルを4つ(2つ)折りにしてセットを行ないます。これにも成功したら、さらにバスタオルを開いてセットを行ないます。そして最後にはバスタオルなしでバーベルを挙げます。
これは岩崎輝雄さん(ベンチプレス・マスターズB世界記録保持者)が書かれていた方法です。

より強い刺激を筋肉に与える
コンパウンドセット、フォーストレプスなどの高強度トレーニングを行ないます。本格的なボディビルジムなどの環境では有効なことが多いと聞きます。ただし、体質が弱い人には向かないでしょう。オーバートレーニングになり、かえって弱くなってしまうこともあります。

スーパースロー法
ウエイトを挙げるのに10秒、下げるのに10秒というように、非常にゆっくりした速度でトレーニングを行なう方法です。練習重量は比較的に小さいものとなります。
軽いウエイトを使うことから、楽なやり方だと思われ勝ちですが、実際にやってみると相当に苦しいことが分かります。
普通のトレーニングを行なっている人でも、停滞時に取り入れてみると、筋肉に新しい刺激を与えることができると思います。

加圧式トレーニング
特殊なベルトでトレーニングをする部分の筋肉に圧力を加える方法です。使用するウエイトは比較的に小さなものになります。原理的には「スーパースロー法」と似ています。
これは私(喜八)はやったことがありません。
しかし、何人かの知り合いが実践されて、実際に効果を得ているそうです。 加圧式トレーニングについてはサトウ・スポーツ・プラザのサイトにくわしい情報があります。

忍耐法
たとえ停滞が長く続いても、とにかくあきらめずにウエイトトレーニングを続けます。トレーニング歴の長い人の中にはこれで乗り切ってきた人も少なくありません。

どれか1種目でも向上していればよしとする考え方もあります。たとえばベンチプレスや上半身の種目が停滞していても、スクワットが調子よいなら「OK」とするのです。そしてスクワットの伸びが停まったら今度はベンチプレスがよくなるだろう、と楽観的に考えます。実際にその通りになることが多いと聞きます。

体調を崩すことなく、怪我をすることなく、長期間にわたってトレーニングを続けることが一番大切なことかもしれません。

停滞克服を楽しむ

以上のようにさまざまな試みを通じて「停滞」を乗り越えてゆきます。
この停滞を克服するという過程こそが、じつはウエイトトレーニングの醍醐味ではないかと思っています。

いままで挙げることができなかった「重量×回数」を成功させたときの嬉しさはなにごとにも換えられません。腹の底から突き上げてくるような歓喜。この喜びがあるから、私のようなナマケモノでもウエイトトレーニングを続けることができるのでしょう。

(喜八 2002-03-12、改訂2007-05-06)

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