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以前から「ジャパニーズ(Japanese)」の「イーズ(ese)」の部分にひっかかるものがあった。正直なところ差別表現ではないか? と疑っている。そして、もしこれが差別の意味を含むものなら、われわれ日本人がお気楽に「ウィ、ジャパニーズ」なんて口にするのはとても恥ずかしいことなのではないか?
ある中東系日本人(男性)に、この疑問をぶつけてみたことがある。この場合の「中東系日本人」とは、中東の某国出身で、日本人女性と結婚し日本の国籍を取得した人という意味である。彼はずばり「イーズがついたらおしまいだよ」と答えた。冗談めかしてはいたが、わりに本気だったと思う。
その後、機会を見つけて複数の外国人に質問してみたが、ことがレイシズム(racism 人種差別)に関わるせいか、はかばかしい返答は得られなかった。中東系日本人の彼の答えはごく正直なところを吐露していて貴重なものなのかもしれない。
英語で「〜人」という場合の表現法を考察してみた。まず本家のイギリスだと語尾が「ish」に変化して「English」となるのは誰でも知っているだろう。このパターンはほかにや「スペイン人(Spanish)」「アイルランド人(Irish)」などがある。
つぎに語尾が「an」となるもの。「カンボジア人(Cambodian)」「パレスチナ人(Palestinian)」「アメリカ人(American)」などで、このタイプが国民の呼び方としては最大多数派である。
「イラク人(Iraqi)」のように語尾がちょっとだけ変化するもの(国名は「Iraq」)や、チェコ人(Czech)のようにそのまんま(国名も「Czech」)というものなど、他にもいろいろなタイプがある。
そして問題の「ese」。
この仲間にはおおよそ以下のような国々および地域に住む人々がいる。
「アジア諸国」
「アフリカ諸国」
「ヨーロッパ諸国」
「中東諸国」
「南米諸国」
「国名以外の地域名」
こうやってみると、中東・南米・ヨーロッパは少なく、アジア・アフリカ諸国が多い。
いろいろと調べてみても、「イーズ(ese)」は悪い印象があるときに使う表現であるらしいという疑いが晴れない。「地名・人名・集団名につけて(通例軽蔑的に)」という解説をしている辞書もある。
そうか我々は悪い印象をもたれていたのか!
誰から? 英語を母国語としている人たちから!
なにをいまさらという気もするけれど、とりあえずそう結論をだしておこう(笑)。
けれども、がっかりする必要などはない。人種的偏見に満ちたかわいそうな人たちのことを逆に哀れんであげよう。そして彼ら彼女らを反面教師として「自分の内にも同じような偏見がある(かもしれない)」と反省するきっかけにする。
ところで先に挙げたイーズ諸国の中には馴染みの薄い国も多いのではないだろうか。でも「ese」の仲間だと思えば親しみも増す。もし今後コンゴ(駄洒落ではない)やレバノンの人にあったら、「われわれは仲間である。なぜなら〜」と解説してみようと思っている。大受けするかもしれない。
愚人の夢と笑われるかもしれないが、こんなことも考えた。「ESE諸国連合」なんてのを結成して、地球上から差別と戦争を根絶するために協力し合う。このときは朝鮮半島の人たち(Korean)やフィリピン人(Filipino)も特別に仲間に入れてしまおう。なんて言っても我々は隣人同士なのだから。
最後に蛇足ながら。そもそも世界の人口のうちの6割近くはアジア人なのだそうだ。われわれはれっきとしたマジョリティ(多数派)なのである。マジョリティだからといって、別にエライというわけでもないが、多数派に属することによって安心する人も多いと思うので書いておく。
(喜八 2003‐11‐14)
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