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ラスト サムライ

アメリカ合衆国在住の友人からのメールに興味深いエピソードが紹介されていました。
ご本人の承諾を得て、以下に引用します。

週末に映画 "The Last Samurai" を観ました。夜の部だったので熟年のカップルが多かったです。ここ(アメリカ)で、あのような映画を観るとは思ってもいませんでしたが。
こちらの人にとって武士道は、やはりミステリアスなのですね。憧れもあるのかな。
カツモト(渡辺謙)という武士の大将が‥Perfect‥とつぶやき死んでいくシーンで桜の花が散り‥私の斜め前で観ていた老年の白人男性が、ここで涙をふくのが見えました。どこからかため息も聞こえて。
タカ(小雪)という女性もこちらの方々から見ればそうとうミステリアスな女性に見えたでしょう。
ま、映画ですし、フィクションですから‥でも、意外とこういうところで日本がイメージつけられていたりもするので、時々大きな誤解かも‥と思うようなことが起きるのかもしれません。

以下は私(喜八)の返信です。

男性の中には自分を「サムライ」「武士」と見なして昂ぶってしまうという人が少なくないようですね。 はたして女性にそういう人はいるのだろうかという大いなる疑問があります。

「日本人はサムライとしての心を失った」なんて発言もよく聞かれます。 そのたびに「私はもともとサムライなんかじゃないですよ〜」と心の中で反論しています(笑)。

○○さんのメールを読んだためか、奇妙な夢を見ました。

映画「ラスト サムライ」の中で華々しく討ち死にをとげたと思われていた「勝元」は実は死んではいなかったのです。 あれは芝居でした(あるいは詐欺といったほうがよいかも)。

勝元は死んだ振りをして、うまいぐあいに武士社会のしがらみから脱出したのです。しかも彼は主君の信頼が厚いのを利用して、横領をしたり賄賂をとったりして自らの財産を蓄えていました(悪人ですね)。

その財産を元手にして勝元は明治になってから実業家として成功を収めました。
映画の真のラストシーン(未公開)において、彼はスポーツカーを自ら運転する洋装の明治紳士となって登場します。

頭もすっかり白くなった元サムライがカメラに向かって不敵な笑みを浮かべ、
"World is not perfect." とつぶやいた後、スポーツカーで海に向かって走り去ってゆく・・・(俯瞰ショット)。

と、以上は少しだけ創作が混じっています( "World is not perfect." のくだり)。
ついつい調子にのってお馬鹿なことを書きつらねてしまいました。

主君のために「いさぎよく散ってゆく」ようなサムライより、戦乱の世にあってどこまでもしぶとく生き残り、一族郎党を戦火や飢餓から守り抜くような悪人が、私は好きだということなのかもしれません。

(喜八 2004‐01‐18)

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喜八 e-mail: admin@kihachin.net